沖縄空手
~沖縄で培われた伝統的な技法を残す武術~

沖縄を発祥の地とする空手は、護身や心身の鍛練を目的とする伝統的な武術であり、沖縄の歴史・風土に育まれた礼節を重んじ平和を尊ぶ精神性を特徴とし、沖縄の地域社会・人々の生活に密着・浸透し今日まで大切に継承されてきました。

沖縄空手は、道場における師弟関係や「型」を中心とする徹底した自己鍛錬を通して、他者への思いやりの心を育み、年齢や性別、障害の有無、更には、人種、国籍、言語、宗教、思想信条等に関係なく誰でも学ぶことができることから、持続可能な社会の構築に貢献しています。

また、大会やセミナーの開催等を通じて、県外や海外を含めた様々なレベルのコミニュティ間の交流促進やネットワーク形成に寄与しています。

主な流派

~沖縄空手の特徴・ユネスコ無形文化遺産の構成要素~

礼節を重んじ平和を尊ぶ精神性

  • 密接な師弟関係を通した理念の継承や人材育成
  • 生涯に渡る徹底した自己鍛錬による人格陶冶
  • 全て受けから始まる「型」に秘められた精神
  • 「空手に先手なし」等の箴言

地域に根ざし人々の生活と密接に関連

  • 地域に溶け込む指導者と町道場、活発な地域交流
  • 学校教育への導入
  • 地域行事や祭礼行事等における演武(綱引き、ハーリー、エイサー、披露宴、葬送儀礼 等)

ウチナーグチによる独特な用語・表現、空手家にまつわる逸話、
人体や武具製造に関する知識等の伝承

該当分野

沖縄の歴史・風土に育まれた平和を希求する精神性を顕現・象徴する護身のための武術

人々に伝統とアイデンティティを再認識させ、地域の絆・連帯を強める役割を果たしている

登録によって期待される効果

ユネスコ無形文化遺産登録は、沖縄が世界に誇る伝統文化である沖縄空手の価値を県民が再認識する契機となるとともに、国内外における認知度向上に繋がることから、その将来にわたる保存・継承と普及・啓発に寄与するのみならず、沖縄空手を通じた交流の拡大により、地域社会の発展や世界の平和文化創造に貢献するものです。

無形文化遺産全体の認知や重要性の認識の向上

地域の人々に加え、スポーツ競技として国内・海外に大きく広がる空手の愛好家など、次世代を担う若い世代を含む幅広い層に対し、沖縄空手の文化的な価値を再認識させる契機となるのみならず、制度自体への認知度を向上させるとともに、同様の特徴を持つ無形文化遺産全般への注目や関心を高めることに繋がります。

コミュニティ、集団、個人間の対話・交流·相互理解の促進

文化の多様性、人類の創造性に対する敬意の醸成

争いを避け、互いの尊厳を重んじ、個性と多様性を認め合う伝統的な沖縄空手に通底する精神性は、人々に思いやりの心を育み、世界の平和に貢献するものであり、こうした文化的価値が、世界中の空手愛好家をはじめとする多くの人々に広く発信され浸透することで平和文化の創造が図られます。