地元での呼び方

山々棒、西崎棒

武術的身体表現の形態

武術的身体操作・表現の形態

・銅鑼やホラガイが鳴らされ、二人一組で棒などを打ち合う演舞を行う。

武術的身体操作・表現の分類

■対面での打ち合い等がある

時期・場所

行事が行われる期日（旧暦）

10月下旬（新暦）（西崎区民俗芸能発表会）、11月第2週（伊江村民俗芸能発表会）
※8年に1回、各区輪番制の字マールで行われている。いずれも新暦。直近での字マールは平成31年（令和元年）に実施。

上演の場所

西崎区公民館（西崎区民俗芸能発表会）、伊江村農村環境改善センター（伊江村民俗芸能発表会）

行事の目的・由来・伝承

行事の目的・伝播の仕方 （どのように伝承されるようになったか。）

伝播：元は西江前区に棒があり、1943（昭和18）年4月、山々青年会（現西崎区青年会）の団旗祝の際に西崎区の青年が棒技を仕込まれ披露し、その後披露した方々により復活し、山々棒（西崎棒）として継承されたようである。

中断・再興の時期とその理由

戦争による中断した記録がある。

武術的身体表現（「空手」「棒」等）にまつわる由来、伝承や民話、説話など

上述の通り、西江前区の棒が源流であったようである。かつては村内でも東（アーリ）の棒、西（イーリ）の棒があったようであるが、現在は西崎区のみ存続している。1952年、青年会総会・演芸会において阿良区の青年が棒を上演したのが記録されている。

当該行事における意味

行事の中での演武（舞）の位置とその意味（戦前、戦後、復帰後の変化）

村踊の上演の演目の一部として演じられている。

組織・指導者・伝承方法

組織

西崎区民俗芸能保存会、伊江村民俗芸能保存会（昭和48年伊江村民俗芸能保存会が発足し、『伊江島の村踊』の継承を行っている）。

組織の特化

■武術の部分は専門の師匠がいる

各組織の役割等（戦前、戦後、復帰後等の変化についても）

直接的な指導は西崎区の師匠方によって行われる。

指導者の氏名（さかのぼるまで）

東江幸平（昭和18年当時77歳）、東江氏、玉城氏、知念氏（昭和62年時点）

出演者の状況・条件（年齢・性別/戦前・戦後・復帰後）

基本的には青壮年（20~40代）の男性によって演じられる。

稽古の仕方、期間

稽古のスケジュール（戦前、戦後、復帰後等の変化についても）

現在：本村に伝わる「伊江島の村踊」は各区輪番制で行われており、基本的には8年ごとに当番区となる。当番区となる年の4月~5月に区の民俗芸能実行委員会が発足され、出演者が決まると稽古が開始される。稽古は例年11月2週目の土曜日に開催される伊江村民俗芸能発表会まで続く。

稽古の場所（戦前、戦後、復帰後等の変化についても）

現在：西崎区公民館、伊江村農村環境改善センター（主に伊江村民俗芸能発表会前）

演舞（武）構成

演武（舞）構成 （芸態）（現状を含む）

1番：三尺棒　2番：四尺棒（呼称グル尺）　3番：四尺棒　4番：五尺棒　5番：六尺棒（呼称グル六尺）　7番：エークとヤイの手（カイとヤリ）
7組の棒踊りがあるが、現在では5組が伝承されている（平成9年刊行の西崎区誌より）。
平成31年度の伊江村民俗芸能発表会では、1番棒：三尺棒、2番棒：五尺棒、3番棒：六尺棒、4番棒：六尺棒、5番棒：エーク・ヤイとなっている。

集落以外での披露の有無

■集落以外（市町村内）で演武したことがある　

衣装・道具

衣裳・道具の名称と着方

衣装：白襦袢、白袴、白ハチマキ、白いタスキ。平成31年度に演舞した際には黒の着物、橙色の帯を着用していた。
道具：棒、櫂（エーク）、槍（ヤイ）、銅鑼、ホラガイ

衣裳・棒、他の用具の管理と時代の変化について（戦前、戦後、復帰後等の変化について）

西崎区において管理している。

棒など用具の材質（戦前、戦後の変化）

棒・櫂：木製

音楽

楽器の内容と呼称、各楽器の演奏者数と時代の変化について（戦前、戦後、復帰後など）

楽器類：銅鑼、ホラガイ（各1名）

記録

文献、映像記録、古老の記録、プログラムや式次第など

■文献
■映像記録（平成31年度伊江村民俗芸能発表会の映像記録（DVD）を伊江村教育委員会において保管。）
■プログラムや式次第
■その他（　平成31年西崎区民俗芸能発表会アルバム）
○文献
『区制施行50周年記念誌太陽歩譜』（西崎区誌編纂委員会編/平成9年）64-76ｐ.ｐ
『伊江村伊江村民俗芸能保存会結成40周年記念誌』（伊江村教育委員会/2016年）243-●ｐ.ｐ
『検証沖縄の棒踊り』（勝連盛豊/沖縄文化社/2019）153-155ｐ.ｐ
○映像記録
『伊江村民俗芸能発表会DVD』（平成31年度）
○プログラム
『平成31年度伊江村民俗芸能発表会プログラム』