調査票結果

年中行事名
■シヌグ・ウンジャミ
市町村名
伊是名村
行政区
仲田・伊是名・勢理客・諸見
小字名
(ナハダ/イジナ/ゼッチャク/スミ)
地元での呼び方
シヌグのほかにウンナジャーレーとも呼称している。

武術的身体表現の形態

武術的身体操作・表現の形態
グーサン(棒)を杖状に構え、地面や家屋内(拝所含む)を練り歩きながら、床面をドンドンと打ち鳴らしながら、「ウンナジャーレーホイホイ」や「ウナザレホホヒヌネーホホ」などと叫ぶ。庭のある拝所や住宅では、2人1組や3人1組で棒術の型を披露する。
武術的身体操作・表現の分類
■型の演武がある、  ■対面での打ち合い等がある

時期・場所

行事が行われる期日(旧暦)
旧7月18日に行われる。 令和5年度については、新型コロナウイルス感染症による影響により4年ぶりの実施となった。※諸見区については、子ども達の参加を見送り、区長のみ拝所にて御願を実施。
上演の場所
各字とも伊是名城跡にある御嶽前の庭にて演舞した後、集落の神アサギやムラ火の神、旧家を周り、道中声がかかれば飛び入りにて民家でも行う。

行事の目的・由来・伝承

行事の目的・伝播の仕方 (どのように伝承されるようになったか。)
集落内の悪魔払いを軸に実施されるが、併せて村落の繁栄や五穀豊穣、健康祈願なども行われている。
中断・再興の時期とその理由
新型コロナウイルス感染症の影響により3年間の中止を余儀なくされ、その間、子ども達の参加が途絶えてしまった。 ※台風等の悪天候のため、子ども達の参加ができない年もあった。
武術的身体表現(「空手」「棒」等)にまつわる由来、伝承や民話、説話など
・昔は、7、9、11歳と3回連続して参加することが名誉であるとされていた。 ・当日参加する男子は、神様とされるため土足で家屋内に入り、途中に割れ物(ガラスや陶磁器類)が置いてあったら割っても構わないとされ、とがめる住民は居なかったとのこと。

当該行事における意味

行事の中での演武(舞)の位置とその意味(戦前、戦後、復帰後の変化)
・悪魔払いが主な意味を有するが、畑のネズミを追い払う動作などがあったとされ、勢理客においては、ウンナジャーレーの最後に所定の海岸(長浜の海岸/シヌググムイ)からネズミを載せた藁舟を流すいわゆるアブシバレー的な意味が付随している。

組織・指導者・伝承方法

組織
・区長を中心として、子ども会会長や参加する男子の父親などがサポートする。 ・棒術の型については、青年会等で伝承されているため、指導できる方が子ども達の稽古を付ける。
各組織の役割等(戦前、戦後、復帰後等の変化についても)
指導者の氏名(さかのぼるまで)
出演者の状況・条件(年齢・性別/戦前・戦後・復帰後)
旧来は7歳、9歳、11歳の奇数年齢の男子10人のみが参加を認められたが、現在は、少子化により小学生の男児を全員参加させている。 人数が集まらない場合は、女子の参加もある。

稽古の仕方、期間

稽古のスケジュール(戦前、戦後、復帰後等の変化についても)
稽古の場所(戦前、戦後、復帰後等の変化についても)

演舞(武)構成

演武(舞)構成 (芸態)(現状を含む)
二人棒:2人1組で3尺棒を用いて演舞する 三人棒:基本は二人棒を演舞するが、人数が偏る場合に行う。
集落以外での披露の有無
■集落以外(市町村内)で演武したことがある (村の生涯学習発表会にて子ども会の取組として披露した) 

衣装・道具

衣裳・道具の名称と着方
白半ズボン、白Tシャツ、白はちまき(タオル)、白襷、白靴下、白靴(最近は靴に関しては、子ども達が普段から履いている運動靴を使用)、棒(グーサン)
衣裳・棒、他の用具の管理と時代の変化について(戦前、戦後、復帰後等の変化について)
公民館にて保管
衣裳・棒、他の用具の修繕や製作、購入の方法(担当、方法、経費など)
字費にて整備
棒など用具の材質(戦前、戦後の変化)
竹(径3cm程)を3尺(約90cm)から1mに切った手製の棒

音楽

楽器の内容と呼称、各楽器の演奏者数と時代の変化について(戦前、戦後、復帰後など)
太鼓(締太鼓)や銅鑼鐘を使用し、拍子を打つとともに同伴する大人が囃子(ヤーヤー)を唱える。棒術は拍子に合わせて演舞をおこなう。
楽曲(戦前、戦後の変化)

課題

支援してもらいたいことや困っていること(今後の継承等課題等)
コロナで影響を受けたこと
令和2年度~4年度までの3カ年については、感染拡大防止のため実施を見送ったため、子ども達が棒術の型を忘れていることがある。

記録

文献、映像記録、古老の記録、プログラムや式次第など
■文献 『伊是名村史 下巻』平成元年 伊是名村史編集委員会編 472p 『伊是名村勢理客誌』1999 諸見武彦著 155p-159p 『はなぬ中里・仲田字誌』平成16年 仲田区字誌刊行会 97p-98p