調査票結果

年中行事名
■その他(字移転記念日)
市町村名
久米島町
行政区
具志川
地元での呼び方
具志川の棒術

武術的身体表現の形態

武術的身体操作・表現の形態
1入場「たかまち・グーヤー巻き※現在はマチ棒」 全員参加 2対戦「タンカー棒」 基本全員  3基本型「ダンヌ棒」8名
武術的身体操作・表現の分類
■型の演武がある ■対面での打ち合い等がある

時期・場所

行事が行われる期日(旧暦)
 字具志川移転記念日(明治28年字仲村渠古島から現在の字具志川松の口に移転した日)旧暦の8月19日を基本として、実行委員会・部落で日程調整し、10年に1度棒術を行っている。平成5年10月9日には、「字具志川移転100周年記念」として三味線、舞踊、民謡ショー、棒術を披露し、盛大に式典が行われた。その後110周年も同様の式典を行った。
上演の場所
 全員公民館を出発し、行進し、集落の北側にある公園(呼び名:工場、以前小型製糖工場があった場所)で演舞を行う。

行事の目的・由来・伝承

行事の目的・伝播の仕方 (どのように伝承されるようになったか。)
 字具志川の集団棒術の始まりは、明治20年(西暦1887年)前後、沖縄県南部国吉前里から久米島へ渡った徳里亀井(愛称:カマーフー)によって教えられたのが始まりだと言い伝えられている。棒術の基本は、国吉前里の流れをくむものといわれ、棒の集団演武の内容も前里棒との類似点が多く流れの裏付けとなっている。棒術が定着するようになってからは、田植え後の豊作祈願や干ばつ時の雨ごい祈願等にも部落のヌール殿内で祈願棒を行い、さらに村行事や地域行事等にも演出した。(字具志川移転百周年記念誌より抜粋)
中断・再興の時期とその理由
 上記5のとおり、10年に一度のペースで行事を行っっていたが、棒術は大人数(前回は約80名、多ければ多いほどよい)必要なため、集落内では人口減少、若者の集落外への転出、またコロナ禍もあり約15年間行われていなかったが、コロナの感染状況も落ち着いてきたため、今年10月3日に式典を行う予定である。人員については基本1集落内の人2集落関係者(親族が字出身等)集まらなければ棒術に興味があり賛同できる人を募る。女性の参加も検討する。総勢70名以上を目指す。

当該行事における意味

行事の中での演武(舞)の位置とその意味(戦前、戦後、復帰後の変化)
 豊作祈願、干ばつ時雨ごい祈願等

組織・指導者・伝承方法

組織
 以前は実行委員会の組織を形成し、実行委員長を中心に「祝宴部」「式典部」「事業部」を設置し、運営を行っていたが、今年は区長を中心に行事を行う。詳細は今から決定する。
指導者の氏名(さかのぼるまで)
 喜納氏 前兼久氏
出演者の状況・条件(年齢・性別/戦前・戦後・復帰後)
 演舞の先頭は小学6年生が対(2名)で務める。(メーボーと呼ばれている)その他は中学生以上の男性。人員確保が難しい場合は女性の参加も検討する。

稽古の仕方、期間

稽古のスケジュール(戦前、戦後、復帰後等の変化についても)
 前回(約15年前)は3か月ぐらい前から週2~3回練習を行っていた。今年は今から協議する。5月から以前の映像を見ながら、モチベーションを上げていく。
稽古の場所(戦前、戦後、復帰後等の変化についても)
 字具志川公民館。

演舞(武)構成

演武(舞)構成 (芸態)(現状を含む)
一の場面は入場「たかまち・グーヤー巻き※現在はマチ棒と呼んでいる」 全員参加でホラ貝、太鼓、ドラの音に合わせ「フイフイ」のかけ声で棒を上下し横歩きで入場し、会場に入ると前を向き棒を上げるときに右足を大きく上げ行進する。その後左巻きの大巻に入る。渦を巻ききったところで渦を解き、敵味方の二組に分かれ小渦をつくり、巻ききったことろで渦を解き対戦の隊形に入る。二の場面は対戦「タンカー棒」 基本全員、棒術のメインとなる場面で1対1、2対1の秘術をつくしての攻め守りの激しい打ち合いの場面。三の場面基本型「ダンヌ棒」8名。棒術の締めくくりとして数名の若者によって、棒術の基本を東西南北に向け披露する。ダンヌ棒が終わると隊形を組みなおし大巻き、そして退場となる。
集落以外での披露の有無
■集落以外(市町村内)で演武したことがある ■その他( 小学校の周年式典行事)

衣装・道具

衣裳・道具の名称と着方
 衣装はツノー(厚紙で作成した兜)、頭からかぶる風呂敷、ハチマキ(白色)、上下白(各自で準備、現在は上は襟なし、下は柔道着等)、帯2種類(肩から巻く青色、腰から巻く緑色)、ケハン。道具は6尺棒、大太鼓、小太鼓、旗頭(ノボリ)、ドラ鐘、ボラ貝。
衣裳・棒、他の用具の管理と時代の変化について(戦前、戦後、復帰後等の変化について)
 ツノー(兜)、太鼓、旗頭(ノボリ)ドラ鐘、ボラ貝、ケハン(一部)は公民館で保存。それ以外は各自で保管および準備。
衣裳・棒、他の用具の修繕や製作、購入の方法(担当、方法、経費など)
 6尺棒は折れたりひびが入ると使用禁止。購入する。今年度6尺棒、上下服、帯、ケハン、風呂敷を久米島町補助金(伝統芸能保存助成金上限100万円)を申請中である。
棒など用具の材質(戦前、戦後の変化)
 昔から6尺棒である。材質も変化ないとおもいます。

音楽

楽器の内容と呼称、各楽器の演奏者数と時代の変化について(戦前、戦後、復帰後など)
 太鼓、ドラ鐘、ボラ貝、掛け声で音頭をとり演舞する。音楽はなし。

課題

支援してもらいたいことや困っていること(今後の継承等課題等)
 人口減少及び10年に1度開催のため、指導者不足、演舞者不足、モチベーション低下が課題である。しかし毎年や2年に1回とか行うことも、大人数で行うため住民への負担となるため、時期については検討する必要がある。道具の購入を町へ申請していますが、決定ではないため、道具導入をお願いしたい。決定後も上限額もあるため、住民に負担がかかる。
コロナで影響を受けたこと
 行事の開催ができなかった。

記録

文献、映像記録、古老の記録、プログラムや式次第など
■文献(字具志川移転百周年記念誌)  ■映像記録(移転記念式典時の映像DVDあり) ■プログラムや式次第(字具志川移転百周年記念誌の中にあり)